水谷豊主演「HOME 愛しの座敷わらし」 [映画]

東北地方に越してきた一家と座敷わらしとの出会いを描く「HOME 愛(いと)しの座敷わらし」の撮影が続いている。

 東日本大震災で被災した岩手県内でロケが進められ、盛岡市内では、水谷豊演じる主人公、高橋晃一が勤務する会社でのやりとりが撮影された。

 撮影場所は、盛岡市商工会議所の一室。食品会社の営業部員が商品の注文について、言葉を交わしていると、晃一の携帯電話が鳴り、部屋の外に出て行く。和泉聖治監督と水谷は、テレビドラマと映画版の「相棒」でコンビを組んできただけに、息はぴったり。水谷の動きにタイミングを合わせるよう、和泉監督は部員役の俳優たちに注文をつける。

 「HOME――」は荻原浩の小説の映画化。東京から田舎町に引っ越して、心がばらばらになりかけた家族が、家に宿る座敷わらしに導かれて、絆を取り戻すまでが描かれる。

 座敷わらしの伝説は主に岩手県に伝えられているため、撮影も当初から県内を予定していた。しかし、現地にロケハンに向かおうとしていた矢先に、東日本大震災が発生した。映画を製作する東映の西平敦郎プロデューサーは、「被災地の惨状を見て、撮影は無理ではないか、信州あたりでも撮れるのではないか、という思いが強くなった」と振り返る。

 しばらく作業は中断したが、撮影隊の誘致活動を進めている盛岡広域フィルムコミッションなどと連絡を取ると、「撮影に来てもらった方が、地元の人たちの励みになるし、喜んでくれる」と来県を勧められた。西平プロデューサーも「やはり、岩手県以外での撮影は考えられない」と決断。被害の少なかった内陸部で撮影を始めることにした。

 クランクインは6月上旬。遠野市で一家が暮らす古民家の場面を撮影した後、ほぼ1か月間、盛岡市、花巻市、滝沢村など岩手県内を移動した。28年ぶりの単独主演となる映画を岩手県で撮った水谷は、「震災があったからと特別に意識しないようにしているが、手の届きそうな幸せの大切さや自然の素晴らしさが観客に届けられ、結果として、東北のために何かの力になってくれるといい」と話した。

 「HOME――」は今秋完成、来年ゴールデンウイークに公開予定。


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