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ホテルで男子会、意外とヒット 週末にスイーツオフ会 [社会]

男同士がホテルに集まり、1泊2日を過ごす「男子会」が意外な人気を集めている。30~40代の中年男性が多く、ケーキやプリンを好きなだけ食べられるプランが一番人気だ。好評だったことから、ホテルでは期間を延長し、今月末まで受け付ける。

 西湘の相模湾を望む高台にある「ヒルトン小田原リゾート&スパ」(神奈川県小田原市)。週末午後、1階レストランは親子連れやカップルでにぎわうが、周囲の雰囲気とやや違う4人の男たちが姿を現し、バイキング形式で並べられたプリンやケーキを次から次へと取っていく。彼らはホテルが企画した「男子会」プランのお客なのだ。

 4人の年齢は20代から50代。職業も学生から自営業、会社員とさまざまだ。インターネットの「甘党男子」というコミュニティーで出会った仲間で、一緒に宿泊するのは初めてだ。

 東京都世田谷区の自営業男性(35)は「女性がいると、どうしても『楽しませなくては』と気を使ってしまう。男同士だと、おごらなくても良く、見栄えも張らないで済む」。お菓子のおいしい店などの情報を交換しながら、数時間を過ごし、ホテルの部屋に引きあげた。

 同ホテルは2月15日から「男子会」の募集を開始。値段は1人1万5千円から。プランは「飲み会」「スイーツ」「うたごえ」など五つあるが、週末や祝日に35種類のケーキやアイスクリームをバイキングで選べるプランの「スイーツ」が一番人気。「飲み会」が次となっている。

 ヒルトン小田原リゾート&スパでは女子会も企画しているが、男子会との比率は8対2。東日本大震災で客足が遠のくことが懸念されたが、「ヒルトン東京」(東京都新宿区)広報担当の五戸若茂子(ごのへ・ももこ)さんは「事前の予想より好評。多いときには1日に3、4件の予約がある」。4人程度での利用が最も多く、年代は30~40代が中心という。


長澤まさみ「コクリコ坂」初日で司会挑戦 [映画]

スタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」が16日に公開初日を迎え、ヒロイン・海の声を務める長澤まさみをはじめ、岡田准一、石田ゆり子、柊瑠美、内藤剛志、風間俊介、香川照之、宮崎吾朗監督らが東京・有楽町のTOHOシネマズスカラ座で舞台あいさつを行った。

 この日はジブリの鈴木敏夫プロデューサーの発案で、長澤が舞台あいさつの司会に挑戦。なかなかトークが弾まず「話を膨らませるのが下手だと実感しています」と反省しきりだったが、最後には「いつもと違う、和気あいあいとした舞台あいさつになったと自負しております」とユーモアをのぞかせた。

 映画は、1980年に「なかよし」誌上で連載された、高橋千鶴、佐山哲郎による少女漫画を原作に、船乗りの父親を遭難事故で亡くした16歳の松崎海(長澤)が、高校の先輩・風間俊(岡田)との淡い恋模様を通し成長する姿を、高度経済成長へと突き進む1963年の情景とともに描き出す。

 岡田は「ゲド戦記」以来2度目のジブリ作品で、吾朗監督との再タッグ。不安と緊張を抱えながら、スタジオに向かうと同じ事務所の風間もおり「僕は“風間俊”役で、彼は風間俊介。ややこしやーと思いましたね。監督に風間君って呼ばれて、どっち?と思うことも」。それでも「吾朗監督のまっすぐな気持ちが詰まった作品になった」と自信をみせた。

 一方、風間はジブリ作品の大ファンだといい「今日はサンと千尋が一緒にいるのでテンションが上がっている」と興奮気味。もちろん「もののけ姫」でサンを演じた石田、そして「千と千尋の神隠し」で千尋を演じた柊のことを指しての発言だったが、「ゲド戦記」に出演しながら、自分の名前が挙がらなかった岡田は苦笑い。

 吾朗監督は劇中に登場する信号旗「UW旗」(安全なる航海を祈るの意)にちなみ、「被災された方々の安全な航海を祈るばかり。実際、被災地に足を運んだが、そこで起こっていることは想像以上」と祈りを込めた。

 大役を果たした長澤は「素直でまっすぐ。誠実な人たちの姿を通して、毎日“上を向いて歩こう”という気持ちが伝わる作品」とこちらも被災地への思いとともに、初の長編アニメ声優を務めた本作の“船出”に感無量。この日は手嶌葵が主題歌「さよならの夏~コクリコの坂から~」を披露した。



M・ベイ監督ら、大阪で「トランスフォーマー」お披露目 [映画]

 来日中の映画「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」主演のシャイア・ラブーフとヒロイン役のロージー・ハンティントン=ホワイトリー、マイケル・ベイ監督が16日に大阪市役所を表敬訪問し、その後、大阪ステーションシネマシティで舞台あいさつした。

 夕暮れどきの大阪市役所前には、劇中に登場する司令官オプティマス・プライムと主人公サムの親友バンブルビーのオブジェが登場し、大阪市民も集結。大阪のメインストリート、御堂筋を通ってベイ監督らが登場すると大阪市民から大きな拍手が起こった。

 ベイ監督らを出迎えた平松市長は「トランスフォーマーは今回で完結ということですけど、マイケル・ベイ監督には大阪ですばらしい映画を撮ってほしい」とリクエスト。

 ベイ監督は「大阪の街をぶっつぶす許可が出たら撮りますよ!」とジョークを飛ばし、平松市長が満面の笑みを見せると、オプティマス・プライムの巨大フィギュアを市長にプレゼントし、集まった報道陣のフォトコールに応えた。

 その後の舞台あいさつでは客席から登場し、ラブーフ、ホワイトリーらキャストも観客からのサインのリクエストに応じながら壇上へ。観客からふたつの花束をもらったベイ監督は「大阪に新しいガールフレンドができたよ!」とあいさつし、「プロモーションのために世界をまわってきましたが、最後が日本なんです。世界ツアーの最後の夜を大阪で過ごせてうれしい」とコメント。

 ラブーフは「今日はツアーの最終日であると同時に6年かけて撮ってきたシリーズの卒業式でもある。僕はベイ監督のおかげで世界に紹介してもらえたんだ」とこれまでを振り返り、ホワイトリーは「本当にめまぐるしい1年間でした。マイケル、シャイア、本当にありがとう。ふたりがいなければ現在の私はなかった」と感謝の言葉を述べた。

 ベイ監督が「これまでのシリーズの中で、最高の物語と最高の映像だ。3500人ものスタッフが動く大変な仕事だったけど、僕も楽しんでつくれた。本当にぶっ飛んだ映画だぜ!」と語る本作。アメリカなどすでに公開されている国では圧倒的な興行成績をおさめているが、日本で本作がどのように受け入れられるか気になるところだ。

 「トランスフォーマー」は、謎の金属生命体“トランスフォーマー”の戦いを描いた作品。第3作目では、これまで人間がひた隠しにしてきた人間とトランスフォーマーたちの間にある“秘密”や、人間が月の裏側(ダークサイド・ムーン)であるものを発見したことにより招いた人類最大の危機を描く。

「トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン」
7月29日(金)公開



米70年代の伝説的映画上映 [映画]

1970年代の伝説的なアメリカ映画を紹介するシリーズ「ZIGGY FILMS ’70s」の第2弾として、「ナッシュビル」が8月6日から同26日まで、「天国の日々」=写真=が同27日から9月16日まで、新宿武蔵野館で公開される。

 「ナッシュビル」(75年)は、2006年に世を去った名匠ロバート・アルトマン監督作。大統領候補の選挙キャンペーンのため、カントリーウエスタンの聖地に集まったミュージシャンたちの人間ドラマを、ブラックユーモアを交えつつ描く。24人もの人物を自由自在にさばき、アルトマン流群像劇の原点となった。

 「天国の日々」(78年)は、最新作「ツリー・オブ・ライフ」でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したテレンス・マリック監督の長編第2作。第1次大戦下の米中西部を舞台に、農作物の収穫期に各地をさまよう移民たちを詩情豊かに描く。撮影監督ネストル・アルメンドロスの自然光を生かした魔術的映像美が圧巻。

 両作とも評価は高いが、劇場で見る機会は少ない貴重な作品だ。

(2011年7月22日 読売新聞)

水谷豊主演「HOME 愛しの座敷わらし」 [映画]

東北地方に越してきた一家と座敷わらしとの出会いを描く「HOME 愛(いと)しの座敷わらし」の撮影が続いている。

 東日本大震災で被災した岩手県内でロケが進められ、盛岡市内では、水谷豊演じる主人公、高橋晃一が勤務する会社でのやりとりが撮影された。

 撮影場所は、盛岡市商工会議所の一室。食品会社の営業部員が商品の注文について、言葉を交わしていると、晃一の携帯電話が鳴り、部屋の外に出て行く。和泉聖治監督と水谷は、テレビドラマと映画版の「相棒」でコンビを組んできただけに、息はぴったり。水谷の動きにタイミングを合わせるよう、和泉監督は部員役の俳優たちに注文をつける。

 「HOME――」は荻原浩の小説の映画化。東京から田舎町に引っ越して、心がばらばらになりかけた家族が、家に宿る座敷わらしに導かれて、絆を取り戻すまでが描かれる。

 座敷わらしの伝説は主に岩手県に伝えられているため、撮影も当初から県内を予定していた。しかし、現地にロケハンに向かおうとしていた矢先に、東日本大震災が発生した。映画を製作する東映の西平敦郎プロデューサーは、「被災地の惨状を見て、撮影は無理ではないか、信州あたりでも撮れるのではないか、という思いが強くなった」と振り返る。

 しばらく作業は中断したが、撮影隊の誘致活動を進めている盛岡広域フィルムコミッションなどと連絡を取ると、「撮影に来てもらった方が、地元の人たちの励みになるし、喜んでくれる」と来県を勧められた。西平プロデューサーも「やはり、岩手県以外での撮影は考えられない」と決断。被害の少なかった内陸部で撮影を始めることにした。

 クランクインは6月上旬。遠野市で一家が暮らす古民家の場面を撮影した後、ほぼ1か月間、盛岡市、花巻市、滝沢村など岩手県内を移動した。28年ぶりの単独主演となる映画を岩手県で撮った水谷は、「震災があったからと特別に意識しないようにしているが、手の届きそうな幸せの大切さや自然の素晴らしさが観客に届けられ、結果として、東北のために何かの力になってくれるといい」と話した。

 「HOME――」は今秋完成、来年ゴールデンウイークに公開予定。


スコリモフスキ監督「エッセンシャル・キリング」 [映画]

 異能の巨匠、ポーランドのイエジー・スコリモフスキ監督による最新作「エッセンシャル・キリング」が30日から、渋谷・シアター・イメージフォーラムで公開される。ある男の果てなき逃亡を通じて、同監督が描き出そうとしたのは、人間の「本質」だ。(恩田泰子)

ビンセント・ギャロ演じる主人公ムハンマドが逃げて逃げて逃げまくる映画だ。彼は、アフガニスタンで米軍兵士を殺害。ヨーロッパの秘密拘留施設に送られるが、護送車が崖から転落。雪深い森へ逃げ込み、手負いの獣のごとく、すさまじいサバイバルを繰り広げる。

 スコリモフスキは、1964年に「身分証明書」で長編監督デビュー。後に、共産主義下の祖国をいったん離れ、世界各地を流浪しながら映画を撮り続けてきた。画家、俳優などとしても活躍。90年代初頭以降、監督業から遠ざかっていたが、2008年に「アンナと過ごした4日間」を発表。17年ぶりに監督復帰し、日本でも熱い支持を集めた。

 本作は、10年のベネチア国際映画祭で、審査員特別賞と男優賞をダブル受賞。アイデアの一端になったのは、ポーランドの自宅近くにある軍滑走路をめぐるうわさ。CIAが囚人を連れてきて、どこかへ運んでいるらしい、と聞いた。ただ、当初はそれを映画にしようと思わなかった。「昔、政治的な映画を作ったことで、自分の人生は変わってしまった。そういう題材は避けていた」

 ところが、ある冬の夜、運転していた車が凍結路面でスリップし、崖から転落しそうになった。事故のショックと共に「雷に打たれたように」ストーリーがひらめいた。滑走路に連れてこられた囚人が事故に遭って逃げ出したら――。「野生の動物は他者を殺さなければ生きていけない。人間も追いつめられればそのようになるのではないか。そもそも人間ってそんなものじゃないか、と」。ギャロを起用したのも、「彼の身のこなしに動物的資質とでもいうべきものを感じた」ことが大きかったという。

 主人公にはせりふがない。国籍も立場も説明されない。描きたかったのは「いつでも、どこでも、誰にでも起こり得る物語」だからだ。

 冒頭は、ハリウッドのアクション映画のようなタッチだが、映画の進行と共に様相は一変する。「徐々に登場人物が減り、観客は主人公と共に取り残される。決して好感が持てるヒーローではないけれど、知らず知らずのうちに引き込まれ、視点を共有してしまうはず。スポーツで強豪と弱小チームが戦った時、後者を応援してしまうように」

 今は次作の構想は「ない」という。「まずは絵を描きたい。そうしたら何かひらめくかも。永遠にひらめかず、映画を撮らないかもしれないけれど。ふふ」

(2011年7月22日 読売新聞)

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